人か、組織か(2)―〈拝啓、金融庁殿&総務省「情報公開・個人情報保護審査会」殿〉

 「不適切だが違法ではない」。
 法律的、あるいは行政的な場では、常套句なのだろうか。政治資金の不正使用問題を追及されて苦境に陥った東京都知事・舛添要一氏。そのご本人の要請によって諸々の疑惑行動を評価するいわゆる第三者委員会的な役割を委ねられた二名の元検察官弁護士が、記者会見(16.6.10)の場で多用した、弁護的な、巧みな言い回しである。しかしながら、その論理の立て方は、それが通用する特定の場を離れた一般市民の爛漫な常識や良識に向かっては屁理屈、詭弁の類(たぐ)いとしか映らない。さらに、やや法的ニュアンスで説明されるべき概念(ヒヤリング)について質問したマスコミ記者に対する〝素人が何を言うか〟的な侮蔑・嘲笑を含んだ弁護士の応答態度も禍し、舛添都知事に対する非難・攻撃は火に油を注ぐが如き勢いとなり、終には孤立無援、辞職勧告決議が都議会全員一致で可決されるに至った。無惨にも、舛添氏は都庁から追い払われる結果とはなった。
 拍手喝采する者多し。しかし、忸怩たる思い、誰の胸にも宿っていよう。この知事を選んだのは私(たち)都民だったのだ…、まだまだやってもらえる人ではなかったのか……。
 それにしても、人は何故、ある種の役割や権能の座に就くと、いつか正義に背を向け、それを悪事や不義に向けて濫用するようになるのだろう。見渡せば、重き役割を果たすには相応しからざる誠なき人物が、まさに此処彼処に蔓延っている。これが世の常なのか。
 悄然たる思いと共に、「至福の回遊路」(前回ブログ)を巡って折に利用する公園内の東屋に憩いを求めて立ち寄った夕べ、心ほのぼのとする美(うるわ)しい一齣に出会う幸せを得た。
 ひと組の先客、カンカン帽を軽く頭に乗せた半袖ワイシャツ姿の高齢者とイエロー色の大きな犬が戯れていた。犬は盲導犬として知られるラブラドール・レトリバー。「彼」が椅子に座ったままの飼い主に向かって、まるで子犬のように何度も尾を振り前脚を挙げては、大小響きの異なる甘え声で、何やら求めていた。求めるものは何?、と覗き込むと、「彼」が気づいて、私の方へ向き直ろうとした。その一瞬、「彼」はよろめいた。何と、「彼」の右前脚は、折れ曲がっていて、三つ脚でしか立てないのだ。それでも「彼」は、余程飼い主に可愛がられて人を疑う事がないのだろう、私に向けて一層強く尾を振り、「ワンワン」と挨拶をする。それに応えて「彼」の頭を軽くなでた時、「お騒がせして申しわけありません」と言いながら、飼い主が立ち上がってきた。
「ご覧のように、治らない大けがをしても、もっと行こうもっと行こう、っていつもこうなのです。私はもっともっと休ませてやりたいのですが…」
 ここから始まるしばしの会話、「彼」はすっと腹ばいになると、今度はじっと二人を見上げたまま、ひたすら話の終わりを待ちに待つ。
「ついこの前までは、どこに行っても駆けずり回って元気だったのに…。犬の加齢は本当に早い。あっという間に私の歳に近づいて……。まるで自分を見ているように、愛おしい。もっともっと、大切にしてやりたいと思っています」
 時が来たのが分かるのか、別れの挨拶が始まろうとする瞬間、「彼」はたちまち起き上がって、「ワンワン、ワンワン」と歓喜の甘え声を挙げ、さても飼い主を急かすかのように、不自由な3本脚で東屋を雀躍り出た。嗚呼、何らの打算もないこの「親子」、どれほどの愛と誠と深い信頼で結ばれているのか。胸打たれて私は、深々とお辞儀をして見送った。

 〈閑話休題〉
 さて、昨年本ブログ欄で取り上げた私と新生銀行との間で生じたトラブル(15.6.8「新生銀行、お前もか」)、ほぼ1年を経るうちに思わぬ展開を見せ、なにやら大事になりつつある。これは当事者の一方たる私の受け止め方であるが、かいつまんで言えば、約款違反とも思われる新生銀行の証券移管拒否行為を監督官庁たる金融庁がかばい立てしたのか、新生銀行が移管拒否を行った理由等が記載されているべき新生銀行による金融庁宛文書の開示請求(請求者:宗内敦)に対して不開示処分を為し、さらに、不開示を行った金融庁からその可否について諮問を受けた総務省「情報公開・個人情報保護審査会」が一方的に金融庁を支持するという、極めて遺憾な成り行きとなった。
 ここまで来ると、さすがに私個人の手には負えなくなった感がある。そこで、まずは本事案の経緯を広く世間に開くことにした。もしここで、①お読み下さった方々からさまざまなご意見・感想が得られたら、この問題に対する次なる対応に資することができる、また、②官公庁も絡んだ此度の一連の「出来事」は、私同様、金融・証券会社に金融資産を預ける国民一般にとっても普遍的に生じ得る、いわば公益に関する問題であり、これを貴重な資料として世間に伝えることは体験者の義務でもある、と考えたからである。
 だが、高齢の身がこのような問題に人生残り少なの貴重な時間を割くことの意味は何処にあるのか。時には慨嘆しつつも、関係資料を除いた本文だけで400字詰原稿用紙16枚分に至る本件経緯を以下に綴った。ご意見、ご感想をお聞かせ頂ければ、誠に有難く存じます。

 メーンバンクとして利用していた新生銀行で、「グロソブ」なる投資信託証券を他証券会社へ移管するよう申し出たところ、拒否された。これが発端である。私は当初、これは顧客を留めたいという、担当行員の場当たり的独断行為だと受け止めたが、そうではなかった。ちょうど1年ほど前、別の銀行(みずほ銀行)で、今回と全く同じように、購入した投資信託を他の証券会社に移管しようとしたところ、初めすげなく拒絶され、しかし、しばしのやり取りの後、担当者の謝罪とともに、移管が実現した。ところが此度の相手はまさに頑な。まずは担当行員らが、移管の規定はない、内部規定で移管はできないなどと理由にならない理由を挙げ、揚げ句に八王子支店長名の文書をもって、約款同封の上、約款第3章29に基づく行為である、と組織そのものの対応として正式に応えてきた。
 そこで、この約款を開き、第3章「振替決済」29「他の口座管理機関への振替」を見て驚いた。そこには、
 「(1)当行は、お客様からお申し出があり、当行が承諾した場合には、他の口座管理機関へ振替を行います。ただし、当該他の口座管理機関において、お客様から振替の申し出があった銘柄の取扱いをしていない等の理由により、振替を受け付けない場合、当行は振り替えの申し出を受け付けないことがあります。(2)前項に於いて、他の口座管理機関へ振替を行う場合には、あらかじめ当行所定の振替依頼書によりお申し込み下さい。」
 とある。はて、この規定のどこに、本事案に係わる移管拒否の根拠があるのだろうか。移管先証券会社は「グロソブ」を取扱っており、すでに移管の承諾も受けている。よもや、「お客様からお申し出があり、当行が承諾した場合には、……」の〝当行が承諾した場合には〟の部分が裏返し的に〝当行が承諾しない場合には移管できない〟といった、即ち、移管をするもしないも銀行側の随意という文意を含むとでも言うのか。そうでもなければ、この約款をもって移管拒否の理由とすることは到底できないはずであるが、もしそうだとすれば、理由を問わず移管の可否は新生銀行の顧客に対する勝手気ままな思い次第ということになり、人権侵害も甚だしく、無効な約款である。
 そこで、やむなく、この問題に関して、三つの機関に連絡し、また相談した。一つ目は、ある意味では法的な機関でもあり、国民が各所金融機関で購入した株式等の証券類を組織的に一括管理する「証券保管振替機構」(通称、ほふり)。しかし、移管拒否問題については〝遺憾ながら関与する権限・機能が無い〟とのこと。次いで、株式や投資信託などの金融商品取引に関するトラブルを公正・中立な立場で解決を図るとする「証券・金融商品あっせん相談センター」。電話で斡旋を申し込んだところ、極めて共感的で、即座に新生銀行本部に対して電話で斡旋行為に及んでくれた。が、〝銀行側が約款に従い移管はできないの一点張りで手に負えない〟とやむなく匙を投げた。そこで、三つ目に選んだのが、金融機関の監督機関たる「金融庁」であるが、ここからが、まさによもやの展開なのであった。詳細は別紙資料に譲るとして、なるべく簡略に、事実関係だけを述べていきたい。
 まずは、金融庁の「金融サービス利用者相談室」に、新生銀行の不法について訴え、善処を願ってみた(2015.3.27)。ところが、相談員の回答は〝民事不介入で、両当事者の当否についても言及できない。しかし、かくかくしかじかの相談があったことは新生銀行に伝える〟とのこと。そこで、金融庁が当方の訴えを正しく把握していたか、また新生銀行がいかなる移管拒否理由を金融庁に伝えているかを確かめることを主眼に、金融庁-新生銀行間の往来文書を見るべく、金融庁宛に「保有個人情報開示請求書」を送った(2015.4.13)。それに対する金融庁回答(2015.5.12)は部分開示(しかも、部分開示部分の文書の同封はなく、実質的に、全部不開示)、かつ「新生銀行からの回答は保有せず」という内容だった。
 とりわけ、新生銀行からの回答を保有していないとは、全く解せない内容である。まるで、問答無用といった感すらある。そこで、2015.7.9全部開示、かつ回答不保持の理由を求めて、異議申し立てを行ったところ、2015.9.18「情報公開・個人情報保護審査会」に諮問したとの返書が届く。そういう第三者委員会的役割を持つ行政機関があることを初めて知ったが、さてさて、ここからが、なお一層理解に苦しむ展開とはなった。
  2015.10.20「情報公開・個人情報保護審査会」(以下、審査会と略称)から金融庁の諮問文書(理由説明書)の「写し」を受領。同日、情報公開・個人情報保護審査会へTel。諮問文書内容へのコメントを求められたが、〝簡単でもよい〟との付言があり、何か当方が軽んじられ、すでにして審査会の結論がきまっているやの感触さえあって、不快であった。その後、金融庁の理由説明書を読んで、不快は怒りに変わり、審査会の期待に反する簡単ならざる反論的コメントを書いた(2015.10.26)。
 異議申立の趣旨は、①金融庁から新生銀行に向けての回付書面の内容開示、②新生銀行からの回答保有せずの理由開示の2点であった。これについての金融庁説明と私の反論コメントは以下の通りである。
 ①についての金融庁説明
「1 本件回付書面のうち一部不開示とした部分の不開示事由該当性について
 ……そして、本件を含む回付書面には、金融サービス利用者からの相談・苦情を受けた際の当庁の対応が記載されるところ、本件回付書面の不開示部分は、そのような本件の異議申立人からの相談に関する当庁の具体的対応が記載された部分である。
 このような当庁の具体的対応が記載された部分が開示された場合、例えば、開示を受けた者が改めて金融サービス利用者相談室に相談を行い、その具体的対応について開示を求めることによって、どの程度の相談内容であればどのような対応が行われるのか分析することが可能となり、金融サービス利用者相談制度を濫用するなど、監督行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれが認められる。
 よって、回付書面の不開示部分については、監督行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、法第14条第7号柱書きに該当する。(筆者註:原文のまま。一部省略。詳細は別添文書参照)」
 相変わらず、法第14条第7号柱書きに該当する、とは何やら分からぬ文言であるが、驚くべきは、この結論が、申立人をして「金融サービス利用者相談制度を濫用するなど、監督行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」が認められることを根因として導き出されている。即ち、私をして、かくなる人物として同定・ラベリングした上での結論である。
 この項についての私の反論コメントは下記の通り(原文のまま)。
 「恐るべし。ここでは、私をして謂われなく「監督行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれが認められる」人物として同定、ラベリングし、それに基づき、「よって、回付書面の不開示部分については、監督行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため、法第14条第7号柱書きに該当する」と結論づけている。ここで「法」とは「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」を指し、その第14条第7号柱書きは「国の機関、独立行政法人等、地方公共団体又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、次ぎに掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」となっている。この論理に立てば、申立人がかかる不埒な人物であるか否かで、情報の開示あるいは不開示が決定される。それ故、まず、金融庁は申立人に対して、いかなる事実から、かくなる同定・ラベリングを為したのか、説明する義務があるだろう。私もここで、それを強く要求する。
 私有財産を自らの手中に正しく取り戻そうと苦悩する申立人に対して公的官庁が公的文書内で示したかかる同定・ラベリング、甚だしい名誉毀損と受け止めた。もし、これについて明白な説明あるいは謝罪無き場合には、別途慎重に検討して適切に対処することとなる。」
 ②についての金融庁説明
「2 新生銀行からの回答等を保有していない理由について
 当該保有個人情報が存在しないことを理由として不開示処分をする場合には、同情報が存在しないとの理由を示せば、行政手続法第8条第1項の要請する理由の提示として許容されると解されるし、仮に当該保有個人情報が存在しないことの要因を理由に付記した場合、当庁の具体的対応が推測される可能性があるため、保有していないことのみを理由に不開示としたものである。」(筆者註:原文のまま、全文)
 一言で言えば、本エッセイ冒頭で引用した「不適切だが違法ではない」を超える名迷文であり、万一、官公庁・司法の場は、こうした言い回しで議論をするところなのか、と背筋が凍る思いがした。この項についての私の反論コメントは下記の通り(筆者註:原文のまま)。
 新生銀行からの回答が無かったはずはない。この有無については答えず、なに故、「新生銀行からの回答等を保有していない理由について」にすり替え、かつまた、上掲の如き意味不明な記述をするのか。私の文章理解力では、全く了解できない。
 保有していないとは、本来、回答が無かったことを意味する。しかしながら、それ(回答書)を受け取っている、即ち、それを所有していることが理の当然であるにも拘わらず、「保有していないことのみを理由に不開示とした」とは、全く分からぬ論理である。回答が無かったならば無かったと述べ、回答が有ったならば、有ったとした上で、その不開示理由を論理的に示せば済むことである。」(原文のまま、全文)

 さて、金融庁説明書に対するコメントを「情報公開・個人情報保護審査会」へ送付して半年、審査会から2016.4.22付けで、諮問に対する金融庁長官宛への審査会答申書の写しが送られてきた。予想していた通り、金融庁の処分が正しいとする内容である。本事案を審査したのは第4部会、委員は元東京高等裁判所判事部総括、学習院大学法学部教授、國學院大學大学院法務研究科教授の3名、各自良識あるメンバーと思われる。がしかし、この委員会が、ひたすら金融庁の見解をそのまま披見・引用・踏襲して金融庁に同調し、私の提出したコメント・意見については論評の対象として採り上げることなく、何らの検討もしていない。これが、事の当否を論議する〝第三者委員会〟のあり方と言えるのか。驚くほかはない。
 私(異議申立人)が求める開示情報は、新生銀行によって未だ明快に示されていない移管拒否理由、それにつきる。その情報(拒否理由)は当然、新生銀行が送付した金融庁への回答文書に明らかにされているはず、否、明らかにされていなければならないはずのものである。それを開示することが何故できないのか。金融庁は「金融サービス利用者相談制度を濫用するなど、監督行政の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がある人物だと私を貶めるまでして開示拒否の論を立て、此度委員会は、この辺りを名誉毀損に該当しないよう巧みに曖昧模糊たる文言に書き換えこそすれ、文意は変わらず、同じ結論に導いている。また、金融庁に対する新生銀行からの回答文書があったかなかったかを問う素朴な質問についても、申立人の問いに何ら触れる(応える)ことなく、金融庁の説明をそのまま踏襲し追認して、金融庁意見を妥当と結論づけている。
 下種(げす)の勘繰りかもしれぬ。初め新生銀行が犯した不当行為を監督官庁の金融庁がかばい立てし、さらにその金融庁のかばい立て論理を委員会が正当化して事実関係を隠蔽する。新生銀行が証券移管を拒否した理由は何なのか。先述を繰り返すが、その拒否理由は当然金融庁への回付文書で明らかにされているはず、否、明らかにされていなければならないはずである。その内容を私が知り、もしそれが新生銀行が当初私に示した拒否理由とは異なるものであっても、納得できるものであれば、事はそれですべて終了する。それをここまで隠蔽されるとなれば、遺憾ながら、新生銀行とのトラブルは、もはや、法治国家ではある意味最終的な第三者委員会とも言うべき司法の手に判断を委ねる以外に道はない。
  だがしかし、冒頭に述べた如く、万一、司法の場が「不適切だが違法ではない」式の論法がまかり通るところであれば、問題である。因みに、本事案(新生銀行の移管拒否)を仄聞して、投資信託購入時には移管項目は存在していない、また「お客様からお申し出があり、当行が承諾した場合には、……」は承諾しないことがあり得ることを前提にしているといった理由で、論理的には移管拒否しても違法ではない、と感想を述べた司法関係者もなくはなかった。
 そこで、しばし立ち止まって、まずは世間一般のご意見を聞いてみるに如くはない、と考えた。心情を披瀝し、客観的な資料をそのまま披露して長々と綴ったのはその故である。いじめ・意地悪文化の元凶となる〝泣く子と地頭〟を打ち払うの思いと共に、いつか大きくなったトラブル。ご意見、ご感想をお聞かせ頂ければ、誠に有難く存じます。

* 世の中のためによかれと思いつつ書いています。共感くださったときには、拍手を下されば、有難く存じます。

〈追記〉 2016.7.5
 本ブログを書き終えて、ふっと情報公開に係わるネット情報を見てみた。何と無知であったことか、今や各地〈各自治体)に隈無く「情報公開・個人情報保護審査会(審議会)」なるものが置かれているではないか。その様々なページやサイトを流し見ていたところ、興味深いケース、興味深い事柄を見出した。家畜保健衛生所によって強制的に立ち入り検査を受けた開業獣医師が、立ち入り検査が行われるに至ったいきさつを把握するために、当該家畜保健衛生所に対して関連する行政文書の開示請求を行った事例であるが、この情報開示の可否を茨城県情報公開・個人情報保護審査会が当該家畜保健衛生所からの諮問を受けて検討、このプロセス・内容が、私の場合と極めて類似しているのである。
①まず、家畜保健衛生所は、
「当該文書の存否を答えること自体が,当該事業を営む個人の利益を害することとなり,条例第7条第3号アの規定により,不開示とすべき情報を開示することになるので,存否を答えることはできないが,仮に当該文書が存在するとしても,条例第7条第3号アの規定により不開示になる文書である。」
 と、条例第10条の規定により,その存否を明らかにしないで不開示決定を行ったとしている。
②これに対し、開業獣医師は、
「開示をしない理由の“条例第7条第3号アの規定により,不開示とすべき情報を開示することになるので,存否を答えることはできないが,仮に当該文書が存在するとしても,第7条第3号アの規定により不開示になる文書である。”は不可解な記述である。不開示とされる行政文書が存在する場合,存在の有無を明確にできない理由はなく,文書は存在するが一定の理由により開示できないとすればよいはずである。なぜ,文書の存在すら不明確としなければならないのか明確な説明を求める。」
 と、文書の存在を前提として、不開示理由の説明を求めるなど、情報開示へ向けて異議申立を行った。
③しかる後、諮問を受けた茨城県情報公開・個人情報保護審査会は、
「実施機関が行った不開示決定は,妥当である。」
 と、文書存否についての申立人の問いには全く応えることなく、家畜保健衛生所の見解をそのまま受ける形で結論を出している。

 感想を言えば、唖然とした。私の場合との驚くべき類似性に驚いた。有るはずの文書を何が何でも無いとするための、こじつけ・詭弁。そこにはあたかも、問題別に(例えば、開示を拒否する正当な理由が見出せない場合)特定の回答フォーマットが用意されているのではないかと疑わせるほど似通った論法が用いられている。こうした詭弁と論法は、権能の笠を着た傲慢さが無ければとてもできない業ではないか。これはもはや、民主社会における「第三者委員会」とは到底呼べるものではないだろう。
 上例がその後どのように展開していったかは不明である。が、此処までの仔細は、茨城県がネット上に情報公開しているから妙である。
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プロフィール

宗内 敦(カラーピラミッド)

Author:宗内 敦(カラーピラミッド)
教育・文芸同人誌『琅』発行人
「書肆彩光」代表者
日本教育心理学会会員
日本ペンクラブ会員
”下記の著、拍手・コメントを頂戴した方に贈呈いたしたく。ご希望あれば、ご連絡下さい。”
 ☆『二言、三言、世迷い言』(書肆彩光 1012)
 

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